お家が多くの人間の現場での協働作業で出来上がっていくかぎり、皆の「思い」はとても大切です。
若い大工職人さんたちに「何故この仕事に?」と聞くと、こちらが思っている以上に『子供の頃大工さんを見て憧れて・小さい頃からモノづくりが好きだったから』との真剣な答えが帰ってきます。さらに、建物見学や他のものづくり現場にお邪魔した際なども、ベテランから若手まで、食い入るように見学しています。
現場で働く大工職人さんたちは、やっぱり「つくる」事が大好きな人達の集まりなのです。
もちろん、お客様にお家が出来上がった後に「ありがとう」と感謝いただけることは大変嬉しく、一番のやりがいです。その上で、純粋に「つくる」楽しさ・喜びを感じる仕事をさせていただきたいと思います。
全てが既製品の集合体で、現場では電動ドライバーなどでネジを止めるだけの現場組立員の仕事だけでは面白くない。確かに安価に済むかもしれないけれど、全く「大工職人の手」の介在しない家づくりはしたくないと思います。
皆が、一生懸命やりがいを持って、楽しく気の入った仕事をしてこそ、住まい手に永年愛着をもってお住まいいただけるお家になるのです。
設計も大工職人も、「より良いもの=より高いレベル」を目指したい

建物見学は設計レベルの上達に欠かせません
「つくる」仕事に携わる者は、常に「より良い」を目指しているはずです。
設計の間取りや空間、外観デザインなどは、素晴らしい建築家の手法を建物見学や直接のご指導、または書籍や様々な場で積極的に学び、その良い所を取り入れられるように努めています。
また、朝礼や勉強会・会議などの場で、大工職人さんも交えて、よりよい構造や断熱施工、防水施工、またお家の耐久性をもっと上げる方法など、新材料・新技術などの検討を併せて、より高いレベルを目指して努力し続けています。
この前までは出来なかったことが出来るようになれば、同じ仕事もより上手く早く出来るようになれば、「つくり手」として純粋にとてもうれしいことですし、何よりお客様に喜んでもらえ、よりお役にたてるわけですから、大変やりがいのあることです。

構造計算で力のかかり方をチェック
元来職人さんたちはそうして、古い技術を伝えながら、新しい技術も取り入れ進化してきたのです。「より良いものを!より上手く造りたい!」これは、当たり前の職人のもつ心なのです。
「お家」は、皆様が外で働いたり遊んだりした後、帰る場所です。ですからわれわれ「つくり手」にはそれを守っていく、地域への大きな責任があります。
自分たちが建てたお家は自分たちで守り続けたい。単純なことですが、それがお客様や地域にとっての一番の貢献になると考えています。
だから自社に大工を抱える「社員大工制」を守り、次代を担う若い大工さんの育成にも努めています。今、日本全国で若い大工さんの数は激減しています。いざ地域で災害が起こった際などを考えても、地域の住文化を考えても、どうしても「大工職人さん」は守っていかねばならないと強く思います。